若きリーダーが牽引する“うまい物集積都市”


宇部市・篠崎圭二市長

はじめに … “宇部愛”が詰まった対話の時間

この日は、援むすび山口 地産地消リレー企画第6弾として、宇部市・篠崎圭二市長にインタビューを行いました。
場所は市長室。県内最年少の首長でありながら、県議・参議院議員秘書などの経験を経て市政を牽引するその姿勢は、真っ直ぐで熱く、そしてユーモアにあふれていました。

今回の記事では、取材前に用意した質問シートと、宇部市から事前にいただいた詳細な回答書、さらに当日の肉声や表情をもとに、援むすび山口の地産地消プロデューサー視点で“宇部の今”と“未来”を紐解きます。(取材日:2025年2月19日)

宇部市・篠崎圭二市長


1. 「事実、うまい物は宇部市に集合している!」の真意

まずお聞きしたのは、この力強いキャッチコピーに込めた想いです。

市長は冒頭から自信たっぷりに語ります。

「宇部市は、海の幸、山の幸が豊富に揃っている。しかも“集まる”まちなんです。」

瀬戸内海の遠浅の漁場は、太陽光が海底まで届くことでプランクトンが豊富になります。
それが魚介類の質を高め、レンチョウやハモ、車エビ、ワタリガニなど、四季を通じて多彩な水産物を育てます。

さらに、宇部市には、水産物を取り扱う「地方卸売市場」と、青果物を取り扱う「中央卸売市場」の2つの卸売市場があり、県内各地の魚や野菜がここに集まってきます。

この集積力こそが「事実」という言葉の裏付けであり、「宇部で食べれば山口県の美味しいものを一度に味わえる」という強みを生み出しています。

宇部市・篠崎圭二市長

2. 宇部牛・レンチョウ・車エビ・宇米——4つの象徴食材

宇部牛の国産飼料チャレンジ

市長の声のトーンが一段と上がったのが、宇部牛の話題でした。

「日本で初めて、国産飼料だけで育てられる環境を作りました。」

小野地区の自然の中で育つ宇部牛は、オレイン酸を多く含み、脂がなめらか。
市長は「味」だけでなく、その背景にある生産体制にこだわりました。

市内に国産トウモロコシ飼料工場が建設され、生まれてから出荷まで100%国産飼料で育てる仕組みを実現。

「これで、本当の意味で“メイド・イン・ジャパンの牛”になったんです。」

そう言った瞬間の満足げな笑みは、“やり遂げた人”だけが見せるものでした。
市長のおすすめは、塩コショウだけで焼くシンプルな食べ方です。

宇部市・篠崎圭二市長

3. レンチョウ・車エビ・宇米——愛情を込めた紹介

レンチョウ
鮮度が高く、身が厚い宇部のレンチョウは、ムニエルや煮付け、唐揚げだけでなく刺身でも味わえる逸品です。
市長も「祖母が大好きで、よく食卓に並んでいた」と語ります。

車エビ
養殖環境へのこだわりは全国屈指。豊洲市場で最高値を更新した実績を持ち、刺身や塩焼きでその甘みとプリプリの食感を堪能できます。

宇米(うまい)
土づくりや水管理など10項目の厳しい基準をクリアしたJA宇部産の一等米。「恋の予感」など5品種があり、台湾の物産展でも高評価を受け、輸出が実現しています。

宇部市・篠崎圭二市長

4. ソウルフードと家族の思い出

市長にとってのソウルフードは宇部ラーメン。特に「三久」という店には、幼少期から祖母、母と通った思い出が詰まっています。
また、お菓子では「利休まんじゅう」を黒あん派として愛食。こうした食の記憶が、市民の誇りや地元愛を育てています。

宇部市・篠崎圭二市長


5. 農林水産業と食育 — “現場目線”の施策

現場で何が変わるのか——そこから考える

農林水産業の振興については、制度の整備よりも、まず「現場で何が変わるのか」を基準にしています。
机上で計画を練ることも大切ですが、それだけでは前に進みません。重要なのは、農家や漁師の方々が「やってよかった」と実感できる変化を生み出すことです。

市内で採れた一次産品を使った新商品では、加工やパッケージの段階まで踏み込み、売れる形になるまで支援します。

「作ったけれど売れなかった」では意味がありません。作って、売れて、次につながる——そこまで寄り添うことが重要です。

また、市外や海外で販路を開拓するための展示会出展も支援。現場で市場の反応を肌で感じてもらうことが、生産者の自信になり、次の挑戦への原動力となります。


担い手が地域を変える

新たに農業を始める方には、技術習得のための修学支援金や、機械・施設導入の補助を用意。漁業も同様に、国や県、漁協と連携して就業から定着までをサポートし、必要な漁船や漁具の導入も後押しします。

若い担い手が一人入るだけで、地域の景色は変わります。家族も地域も元気になり、その影響は広がっていく——これは現場を見てきた私の確信です。


時代に合わせた生産転換

高性能農機やICTを活用したスマート農業の導入を進め、省力化と高収益化を両立させています。
また、高齢化や米価の下落を背景に、飼料用トウモロコシや高付加価値野菜への転換も支援。
たとえば、フルティカトマトのように市場で高く評価される作物に切り替えることで、生産者の収益性を確保します。宇部牛の国産飼料化の取り組みとも連動し、地域全体の生産体制を未来型へと変えていきます。


子どもの舌が地域の未来をつくる

学校給食への地元産食材導入にも力を入れています。JAや流通業者、行政が一体となって「学校給食応援団」を組織し、キャベツ、西岐波みかん、万倉なすなどを安定的に供給。

子どもの頃に味わった地元の野菜や果物の味は、その人にとっての「ふるさとの味」になります。やがて大人になったとき、地元を思い出し、誇りを持てるきっかけになる。だからこそ、小さいうちから本物の味を体験してほしいのです。

宇部市・篠崎圭二市長

6. 公園は“地域の顔”

公園は単なる公共施設ではなく、地域の顔であり、誇りであり、人をつなぐ場です。

恩田スポーツパークは「スポーツからストリートカルチャーまで」をテーマに再整備しました。スケートボード、3×3バスケットボール、卓球やダンスもできる交流施設、そして県内初の屋根付きグラウンドを備え、天候や気温に左右されず幅広い世代が快適に体を動かせます。
私はよく「運動は“運を動かす”」と言いますが、体を動かせば、心も前へ進むのです。

ときわ公園は今年で開園100周年を迎えます。彫刻や動物園、植物園を擁し、四季折々の景観を楽しめる公園です。私にとっても幼い頃から家族と訪れた思い出の場所であり、この節目に合わせ、音楽や食のイベントを市民とともに盛り上げたいと考えています。

さらに、山口宇部ふれあい公園には大型のインクルーシブ遊具を設置しました。障害の有無に関係なく一緒に遊べる設計で、初年度は10万人が訪れました。飛行機の離着陸を間近で見られる公園は全国的にも珍しく、「ここでしか体験できない場所」として観光資源にもなっています。


7. エヴァンゲリオンは観光ブランディングの武器

庵野秀明監督の故郷というご縁から、「まちじゅうエヴァンゲリオン」を展開しています。第3弾では13億円の経済効果を生み、第5弾では彫刻文化と融合した取り組みに挑戦しました。

全国からデザイン案を募集し、トリビュート彫刻を制作。宇部の彫刻文化とアニメ文化を掛け合わせ、新たな観光アイコンとしています。

マニア層は消費単価が高く、リピート率も高いのが特徴です。限定グッズやコラボメニューは、一度の来訪で大きな経済効果を生みます。また、「エヴァグルメ」や限定お土産など、市内事業者と連携した商品開発も進めています。私自身もSNSで発信し、参加者との距離を縮めています。

この取り組みは単なるアニメコラボではなく、地域文化とポップカルチャーを融合させた観光ブランディングです。ここに地産地消の食を絡めれば、全国から訪れたファンが「宇部の味」を持ち帰る流れを生み出せると確信しています。

宇部市・篠崎圭二市長


8.SNS発信へのこだわり

市長は日々、SNSでの情報発信も欠かしません。

「やっていることを知ってもらうだけでなく、どう感じてもらえるかまで意識しています。SNSは双方向だから、直接声が届く。それが行動のヒントになるんです。」

市民や関係者からの反応を受け取りながら、その声を次の施策や発信内容に反映させています。
行政という枠組みを越え、市民と同じ目線でやり取りする姿勢は、宇部市のファンづくりや共感の輪を広げることにつながっています。


援むすび山口の地産地消プロデューサーとしてのまとめ

今回の取材を通じて、篠崎市長は「政策の実行者」であると同時に「物語の発信者」でもあると感じました。
農林水産業の現場改善から食育、公園を核にした地域活性化、観光ブランディング、そしてSNSによる双方向の情報発信まで、一貫して「地域をもっと好きになってもらう」ことを軸にしています。

地産地消の推進においても、その本質は「売る」や「消費する」にとどまりません。
市長のアプローチは、生産者の努力や地域の魅力を“物語”として共有し、市民や県外の人々に共感してもらうところから始まります。

援むすび山口としても、この「現場発・共感型」の姿勢は非常に共鳴する部分です。
宇部市が持つ豊かな食材、景観、文化を、行政と市民が一体となって発信していく——その先にあるのは、単なる地域経済の活性化ではなく、「宇部市だからこそ行きたい」「宇部市だからこそ食べたい」というファンベースの拡大です。

篠崎市長の姿勢は、まさに地産地消を“文化”として定着させるための実践モデルだといえます。

宇部市・篠崎圭二市長

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