「むすびの舞台ウラ・地産地消プロデュース術」Vol.4

援むすび山口の地産地消プロデューサーとして常に感じていることがあります。
この活動は、BtoBのように企画書と数字だけで進む世界ではありません。しかし現在、多くの地産地消企画や物産展が“地方のPR”に留まり、ビジネスに結びつかないという課題を抱えています。

ビジネスに直結させるためには、B(企業)と L(地方=生産者・団体・行政)を結ぶ仕組みが必要です。
ところが、このBtoLがとても難しい。
Bは「売るプロ」であり、Lは「つくるプロ」。価値観も文化も歩幅も違う。ビジネスの匂いが強く出ると、Lが距離を置いてしまう場面もしばしばあります。

その“間”をつなぎ、温度を保ち、関係をやわらかくしてくれる存在
それが 中村店長 です。

取材や編集で見せる一生懸命さ、相手の表情を読みながら言葉を選ぶ丁寧さ。
Lの人たちが「この子なら話したい」「応援したい」と自然に思ってくれる、めずらしいタイプの人です。援むすび山口がここまで走ってこられた理由の一つは、間違いなく店長の存在にあります。


そんな店長の姿を見ていると、ふと子どもの頃に観ていた「がんばれ!! ロボコン」を思い出す瞬間があります。
ロボコンは、一生懸命で、健気で、純粋で、どこか放っておけない存在でした。

ロボコンの性格設定には、こんな特徴があります。

・一生懸命で健気、純粋で素直
・ドジで失敗が多い
・人間が大好きで仲良くなりたい
・涙を流し、笑い、落ち込むなど感情豊か
・精神的には子どものようだが、責任感は強い
・座右の銘は「ガンバリます!」

能力もどこか愛らしく、
食べれば食べるほどパワーが出てしまったり、
怪力なのに加減が効かなかったり、
万能とは言えない“未熟さ”が魅力になっているキャラクターでした。

さらにロボコンの物語は、
「人間の心を理解する」「失敗してもまた挑戦する」
そんな成長のドラマが軸にあり、毎回0〜100点で評価される“100点満点チャレンジ”が象徴的でした。

現場で中村店長を見ていると、このロボコンの姿と重なる瞬間があります。


やまぐち援むすびまつり2025・おのだサンパーク・萩市・長門市・阿武町・道の駅

取材での真剣な眼差し。
裏側での地道な段取り。
良い写真が撮れたときの無邪気な笑顔。
うまくいかなかったときの小さな落ち込み。
それでも翌日には必ず前を向いている強さ。

健気で、真っ直ぐで、素直で、そして“応援したくなる”。
そのキャラクター性が、ロボコンと同じ温度を持っているのです。

もちろん店長はロボットではありません。
しかし、人と関わるなかで学び、成長し、また挑戦する姿勢はロボコンそのもの。
何より、「100点を取りたい」という気持ちが、店長の行動の随所に滲んでいます。

完璧でなくていい。
失敗があるからこそ、次の一歩が輝く。
その“がんばりの過程”こそが、援むすび山口というプロジェクトに深さと温度を与えています。

店長が今日も現場で全力を尽くしている姿を見ると、
なぜロボコンが時代を超えて愛されたのか、その理由がよく分かります。
健気さ、未熟さ、真っ直ぐさ——それらは人の心を動かす力になる。

そしてその魅力が、中村店長にも確かに宿っています。

援むすび山口 編集長・地産地消プロデューサー