良いこと(well)を待つのではなく、自らの意志(will)で地域をより良くしていく。その意志あるところに希望がある。
取材日:2025年10月8日
インタビュアー ヤスベェ応援団長(大谷泰彦さん)

■ LABVが生み出した“まち育て”という発想
山陽小野田市の新しい顔、「Aスクエア」。
Aスクエアのエントランスを抜けると、ガラス越しに光が差し込む。
学生が談笑し、市民が会議室で打ち合わせをしている。
ここは、官と民が手を取り合って誕生した、まちのにぎわい拠点です。





全国初の官民連携モデル「LABV(Local Asset Backed Vehicle)」を活用し、
市が土地を現物出資、民間が資金と運営ノウハウを提供する仕組みで整備されました。
行政と民間が協働し、公共施設と民間施設を一体化させた複合開発は、
全国からも注目を集めています。
「行政がつくって終わり、ではなく、市民と一緒に育てていく施設にしたいんです。
“まちづくり”から“まち育て”へ….. Aスクエアはその象徴です。」
Aスクエアには、市民活動センター、福祉センター、商工会議所、銀行、チャレンジショップ、学生寮などが集約されています。
人が行き交い、学び、働き、挑戦する場所として、市民の手で少しずつ“育てられている施設”です。
「行政がやりました、ではなく、市民が楽しそうに使ってくださる姿こそ成果です。
この空間をどう活かし、どう育てていくかが、まちの力になります。」
藤田市長のまちづくりのキーワードは“育てる”です。
箱を建てることが目的ではなく、そこに人の動きと笑顔を生み出していく──。
この柔軟な発想が、まさに山陽小野田市の強さです。





■人口減少の現実と、“内部の力”で勝てるまちへ
藤田市長は、今の時代を冷静に見ています。
「全国的に人口減少は止められません。
山陽小野田市も毎年1%ほど減っています。
でも、これは悲観ではなく“現実”なんです。
だからこそ、減っても活力を生み出せる“勝てるまち”をつくる必要があります。」
“人口が減るからできない”ではなく、
“少ない人口でも勝てる力をつける”──それが藤田市長の現実主義です。
そのための柱が「官民連携」と「関係人口の拡大」です。
LABVのように民間と行政が手を取り合うプロジェクトを推進し、
市外・県外の人がまちづくりに関わる仕組み(スマイルプランナー制度)を整えています。
「定住人口だけでなく、関わってくれる人を増やす。
市外の方でも“山陽小野田の仲間”として関わってもらう。
そのつながりが、持続可能なまちづくりにつながるんです。」
そして藤田市長は、民間出身ならではの厳しくも前向きな視点を持っています。
「外部環境を言い訳にしても何も変わりません。
景気や国の制度のせいではなく、内部の力で変えていく。
企業もまちも同じです。努力と工夫こそが未来をつくります。」
現実を受け止め、内部の努力で未来を切り開く。
この姿勢が、山陽小野田市の“持続可能な強さ”を支えています。


■ “スマイルシティ”というまちの姿
藤田市長が掲げるキャッチコピー「スマイルシティさんようおのだ」。
この言葉には、市民への想いが込められています。
「活力と笑顔あふれるまちをつくりたい。
“スマイル”には、市民が笑顔で暮らせるまち、
そして人を受け入れる“オープンマインド”なまちという二つの意味があります。」
この考えをもとに、「スマイルハロウィン」や「スマイルコーストウォーク」など、
市民と行政が一緒に楽しむイベントが次々と生まれています。
それらは単なる催しではなく、“笑顔でつながる地域の関係づくり”の象徴です。
また、市長は「well-being(幸せな状態)」ではなく、「will-being(意志ある幸せ)」という言葉を使います。
「幸せを待つのではなく、自らの意志(will)で地域を良くしていく。
その意志あるところに希望が生まれます。」
つまり、スマイルとは“結果としての笑顔”ではなく、
「行動する意志」そのものを意味しているのです。



■ガラスのまちが放つ、新しい光
山陽小野田市を語る上で欠かせないのが「ガラス文化」です。
旧小野田市時代、セメント産業で栄えたこのまちは、2000年に開催された「日本の現代ガラス展」をきっかけに、“ガラスをコンセプトにしたまちづくり”に取り組み始めました。
「セメントもガラスも“窯業”が原点です。
産業の歴史を受け継ぎながら、文化として磨いていく。
それが山陽小野田らしさだと思っています。」
現在では「きららガラス未来館」がガラス文化の発信拠点となっており、小学生全員がガラスづくりを体験できるプログラムも展開しています。
生活に溶け込むブランド「CLASS GLASS(くらすグラス)」も誕生し、ガラスの光は世代を超えて“地域の誇り”として輝き続けています。



■農の底力と、挑戦のフィールド
山陽小野田市の地産地消を語るうえで欠かせないのが、「花の海」と「グリーンハウス(おのだネギ三昧)」の存在です。
「花の海さんは、海辺の埋立地という厳しい環境を、努力と創意で“豊かな農地”に変えられました。
全国のホームセンターに花や野菜を出荷されるまでになった実績は、まさに“挑戦の成果”です。」
「グリーンハウスさんの“おのだネギ三昧”は、市民の食卓に欠かせないブランドです。
県内の約9割をカバーしながら、品質にも妥協しない。
山陽小野田市の“農の底力”を象徴しています。」

■おのだサンパーク――暮らしと文化の交差点
藤田市長にとって、「おのだサンパーク」は特別な場所です。
おのだサンパークは、単なる商業施設ではなく、地元と共に育ち続ける“生活文化拠点”です。
県内初の店舗誘致を次々と実現させてきたその情熱は、まちのDNAとして今も息づいています。
12月12日~14日には、援むすび山口とのコラボ企画「地産地消グルメフェス」が開催されます。
県内各地の味が集まり、食を通じてまちとまち、人と人がつながる三日間です。
「地元の味を、まちの真ん中で楽しんでほしい。
それが山陽小野田らしい交流の形だと思います。」

■海辺の新拠点「そらうみ」へ
2027年に開業予定の「海辺の駅 そらうみ」は、食・観光・健康を融合した新しいランドマークとなります。
「市民が誇りを持てる拠点にしたいと思っています。
そして、第一次産業の方々が活躍できる場を広げたいです。」
海辺に広がる直売・交流エリア「ハレノイチ」は、まさに地産地消の新しい循環を生み出す舞台です。
地域の生産者、市民、観光客が交わることで、山陽小野田市の“食の魅力”がさらに広がっていきます。
■若者と次世代に伝えたいこと
「Aスクエアの学生寮や市民活動センターには、若者が地域とつながる仕組みがあります。
県外から来た学生にも“第2のふるさと”と思ってもらえるまちにしたい。
そのためには、地域の魅力をしっかり伝えていくことが大切です。」
経験が人を育て、まちを強くする。
藤田市長の地産地消の原点には、“経験を共有するまちづくり”という思想があります。
「見て・感じて・関わる」ことで、地域の文化や産業を次の世代へとつないでいく。
それが、山陽小野田市が目指す“未来を育てるまち”の姿です。

■首長としてのメッセージ
「オープンマインド」で、人がつながるまちへ
藤田市長が考える「山陽小野田らしさ」。
それは、開かれた心と協働の精神――“オープンマインド”です。
「山陽小野田市は、もともと外から来た人を受け入れ、一緒にまちをつくってきた歴史があります。
産業の発展も、企業の誘致も、人とのつながりがあってこそ。
だからこそ“オープンマインド”という言葉が、このまちの原点だと思っています。」
この「オープンマインド」という気風は、LABVプロジェクトやAスクエアの官民連携にも通じています。
行政だけではなく、民間・大学・市民が力を合わせ、同じ方向に向かってまちを育てていく。
それが藤田市長の掲げる“意志あるまちづくり”の姿です。
「これからの時代は、“与えられる幸せ”ではなく、自らの意志で幸せをつくる時代です。
それぞれができることを持ち寄り、支え合いながら進む。
そうした意志の連鎖が、スマイルシティを育てていくと思います。」
援むすび山口「首長・地産地消リレー」を通じて伝えたい山陽小野田の物語は、
“笑顔”や“誇り”といった言葉の奥にある、“人と人のつながり”です。
「このまちは、特別な観光地ではなくても、ここに住む人たちの温かさと努力で成り立っています。
その一つひとつの挑戦や笑顔が、山陽小野田の魅力なんです。
県内外の皆さんにも、ぜひこの“意志ある笑顔のまち”を応援していただきたいと思います。」
藤田市長の語る“オープンマインド”は、単なる理念ではなく、実践そのものです。
誰かを受け入れ、共に育ち、地域をより良くしていこうとするその姿勢こそ、
「スマイルシティさんようおのだ」の原動力になっています。

②援むすび山口ぶっちゃけインタビュー!

藤田市長の“山口愛”を教えてください
山陽小野田市のまちづくりを力強くけん引する藤田剛二市長。
真面目で冷静なリーダーという印象がありますが、実はその素顔には“ロックな情熱”と“食へのこだわり”が隠れています。
ここでは、市長の“ぶっちゃけトーク”を通して、人としての温かさとユーモアあふれる一面をご紹介します。
Q1. 個人的に好きな農林水産物・特産品・加工品は?
「二井観光ブドウ園の期間限定ぶどうジェラートが絶品なんです。
濃厚で香りがしっかりしていて、他では食べられない味ですよ。
季節になると必ず食べに行くほどお気に入りです。」
ぶどうそのものの風味を生かした手づくりジェラートは、市長にとって“地元のご褒美スイーツ”。
「テレビでも紹介されるほど人気ですよ」と笑顔で語る姿から、地元の味への誇りが伝わります。


Q2. 想い出のソウルフードのお店と好きなメニューは?
「高校時代によく通っていたラーメン店『三平(さんぺい)』ですね。
学校帰りによく豚骨ベースのラーメンを食べていました。
濃すぎず、ちょうどいい味で、あの頃の思い出がよみがえります。」
今はもう閉店してしまった“青春の味”。
「当時はそこに行けば誰かに会える。そんな場所でしたね」と懐かしそうに振り返る市長の表情には、学生時代の明るさがそのまま残っていました。
Q3. おすすめの観光スポットは?
「やはり焼野海岸の『ソル・ポニエンテ』です。
夕陽が一番きれいに見える“額縁のような建物”なんですよ。」

ソル・ポニエンテは、海辺の風景と調和した美しいレストラン。
市長はそこに、まちの新しい可能性を見いだしました。
「プロポーズの場所としてもおすすめですよ(笑)。
瀬戸内海の穏やかな波と夕陽のコントラストは、本当に素晴らしいです。」
“人と自然が調和するまち”という藤田市長の理想が、その景色の中にあります。
定礎のかわりに刻まれた、建築家 隈研吾さんのサインも見どころです。


Q4. 藤田市長の素顔の一面を教えてください!
「中学1年のころから洋楽が大好きで、今もずっと音楽一筋なんです。
特にビートルズや山下達郎が好きで、作詞作曲もしています。
市長を終えたら、音楽研究家として活動したいと思っているんですよ(笑)。」
実は、藤田市長は地元のイベントでキーボード演奏を披露したこともあります。
「当時外務大臣の林芳正さんと山口県の村岡知事と一緒にライブで演奏したこともあるんですよ。
僕はキーボード担当で、林さん、村岡さんはギター。あれは楽しかったですね。」
公務の合間に音楽を愛し、創作に情熱を注ぐ藤田市長。
「音楽は人をつなぎ、まちを明るくする。
それは“スマイルシティ”の原点にも通じている気がします。」
音楽とまちづくり。
一見異なるようで、どちらも“人を笑顔にする力”を持っています。






■そして未来へ… 地産地消プロデューサーのまとめ
「良いこと(well)を待つのではなく、自らの意志(will)で地域をより良くしていく。その意志あるところに希望がある。」藤田剛二市長『後期基本計画』より
藤田市長が描く“スマイルシティ”とは、笑顔を「つくる」まちであり、意志を「育てる」まちです。
そこには、“人の力を信じるまちづくり”という強い信念があります。
私たち援むすび山口は、そんな藤田市長の想い、そして山陽小野田市の人々の意志をつなぎながら、
これからも「笑顔の連鎖」が広がっていく地域づくりを応援していきます。



援むすび山口の読者プレゼント

山陽小野田市より、素敵なプレゼントをいただきました!
「CLASS GLASS(くらすグラス)」のガラスグラスを2名様 にプレゼントいたします。
「きららガラス未来館」で生まれた、
やさしい輝きと手仕事のぬくもりを感じる一品です。
応募は「援むすび山口 公式LINE」から
友だち追加後に表示される応募フォームよりご応募ください。
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