40年を超えて愛される理由──“地域の力”で動くローカルショッピングセンターの挑戦。

小野田商業開発株式会社 おのだサンパーク 営業部 課長 土井升太さま
(取材日:2025年10月1日)

おのだサンパーク・山陽小野田市

① 歴史と歩み

山陽小野田市に誕生した「おのだサンパーク」は、1983年(昭和58年)10月22日にオープンしました。
当時はまだ周辺に大型商業施設が少なく、突如として現れたこのショッピングセンターは、地域に“新しい暮らしのかたち”をもたらしました。

「まちに突然現れたランドマーク」――。
それは決して大げさな表現ではありません。
おのだサンパークは開業以来、山陽小野田市の人々の“日常と記憶の真ん中”にあり続けています。
買い物はもちろん、家族の時間、友人との出会い、イベントの思い出……。
多くの人がここで人生のひとコマを刻んできました。

そして2023年10月には、開業40周年という大きな節目を迎えました。
地域の皆さまへの感謝を込めた記念イベントが開催され、館内には笑顔と懐かしい思い出があふれました。
40年という歳月の中で、時代が変わってもおのだサンパークが愛され続けてきた理由――それは、この場所が単なる「商業施設」ではなく、“地域の暮らしを支える心の拠りどころ”であったからです。

「生まれたときからここにサンパークがある」。
そう語る地元の方が多いのも、この施設が地域とともに歩んできた証です。
これからも、おのだサンパークは“まちの真ん中”で、人と人を結び、笑顔の輪を広げていくことでしょう。


このまちにしかないという誇りについて

山陽小野田市にある「おのだサンパーク」は、全国チェーンではなく、このまちにひとつだけ存在するスーパーローカルショッピングセンターです。
それでも、決して“ローカルの殻”に閉じこもることはありません。

館内には、山口県発のナショナルチェーンや、全国的にも評価の高いブランドショップが軒を連ねます。
一方で、長年地元に愛されてきた個店も息づき、地域の味や人の温もりを感じることができる──この“全国と地元の融合”こそがサンパークの真骨頂です。

営業部課長の土井さんは言います。
「大手モールのようにマニュアルで動くのではなく、スタッフ一人ひとりが“どうにかせんにゃいけん”という想いで日々動いています。お客様に寄り添う気持ちは、マニュアルではなく“人”そのものから生まれるんです」

この言葉に、私は強くうなずきました。
おのだサンパークには「仕組み」で動く商業ではなく、「想い」で動く商業がある。
その背景には、地域で生まれ育った人々が“自分のまちを自分たちで盛り上げる”という確かな誇りがあります。


③ 地元とつながる“日常の真ん中”として

おのだサンパークは、単なる買い物の場ではありません。
ここは、地元の人々の“日常の中心”であり、暮らしそのものが交わるコミュニティです。

館内では毎年、地元の中学生・高校生を対象にした職場体験プログラムを実施。
100名を超える生徒たちが、店舗での接客や販売を体験し、地域の働く現場を肌で感じています。
「サンパークで働いてみて、地元で頑張る大人たちがこんなにいることを知った」──そんな声も少なくないそうです。

さらに、ハロウィンイベントや期日前投票の会場としても地域に開かれ、
行政・教育・民間が交わる“まちの交差点”のような存在になっています。

そしてもうひとつ注目したいのが、イベントの幅広さです。
全国的に有名な催事を誘致したかと思えば、翌週には地元の特産品フェアを開催。
TOKYO MERのERカーが来場し、子どもたちの歓声が響く一方で、
地元の生産者を紹介する地産地消マルシェも同じ会場で開催される。

まさに、「地域」と「全国」を行き来するサンパークの姿は、ローカルの新しい可能性を体現しているようです。
“どちらかに偏らない”このバランス感覚が、40年経った今もサンパークが愛され続ける理由のひとつでしょう。

おのだサンパーク・山陽小野田市

④ 地産地消と地域連携について

おのだサンパークの魅力は、商業施設という枠を超え、地域とともに息づく「プラットフォーム」であることです。
その根底にあるのは、土井さんをはじめとするスタッフの「このまちの人たちに“喜んでもらいたい”」という純粋な想い。
そこから生まれる行動は、単なるイベントの開催や販売促進を超え、“地元を動かす原動力”になっています。

たとえば、地元農家のグリーンハウスが生産する「おのだネギ三昧」。
このネギをサンパーク内の飲食店に紹介し、メニューとして提供するよう働きかけたのも、土井さんの発案でした。
生産者と店舗を結び、消費者へと橋をかける──まさに“援むすび”の精神そのものです。

「これまで、地産地消の取り組みはJAや行政が中心でした。でも、商業施設だからこそできる“発信”と“場づくり”があるはずです。」
そう語る土井さんの言葉に、私は強く共感しました。

実際、サンパークでは地元企業や学校、行政と連携しながら、地域の子どもたちの職場体験やマルシェ、文化イベントを次々と仕掛けています。
それはまるで、“地産地消”という言葉が単なる食の概念ではなく、「人と人」「企業とまち」「世代と未来」をむすぶ哲学へと進化しているように感じられます。

そして今、サンパークはその延長線上に「地産地消グルメフェス」という新たな挑戦を見据えています。
山陽小野田を舞台に、萩や長門といった他地域を巻き込み、
“地元を食べる”ことを通して“県全体がひとつにつながる”未来を描こうとしているのです。

「地元のファンはもちろん、萩や長門のファンにも届くイベントにしたい。
 好きな人がもっと好きになってくれて、新しいファンが増えてくれたら嬉しいです。」

そう話す土井さんの目には、“地域を動かす力は人の情熱から生まれる”という確信が宿っていました。

おのだサンパークが築いてきた40年の歩みは、
「商業」と「地産地消」の垣根を越えた、“地域共創のプラットフォーム”としての進化の物語です。
そしてその物語は、これからも“結び”の形を変えながら続いていくことでしょう。


⑤ 挑戦し続けるショッピングセンターとして

おのだサンパークの姿勢を一言で表すなら、それは**「ローカルでありながら、挑戦を恐れない」**ということに尽きます。
山陽小野田市という決して大きくはないまちの中で、全国規模の催事やナショナルチェーンの誘致、有名タレントを招いたイベントを次々と仕掛けてきました。

たとえば、伊勢の老舗「赤福」を呼び込んだ催事では、実現までに3年。
何度も断られながらも粘り強くアプローチを続け、ようやく開催にこぎつけたといいます。
全国的に名の知れた老舗を“山陽小野田のサンパークに呼ぶ”というのは、簡単なことではありません。
しかし、土井さんは迷わなかった。

「どれだけ断られても、ここに来てほしいと思ったんです。
 うちのまちの人たちに“本物”を見せたい、それだけでした。」

その言葉の奥には、“ローカルだからこそできることがある”という信念が見え隠れします。

有名タレントが登場する全国的な催事を行う一方で、地元生産者や学生を主役にした地産地消マルシェも開催する。
この“ローカルとナショナルの両輪”が、サンパークの唯一無二のバランスです。

「地元を大切にしながらも、常に新しい風を吹かせたい。
 “このまちにこんな施設があるんだ”と誇りに思ってもらえるように。」

その原動力はどこから来るのかと尋ねると、土井さんは少し照れくさそうに笑って答えました。

「僕はここで生まれ育って、初めてのアルバイトもサンパークでした。
 子どもの頃にたまごっちをここで買って、芸能人のイベントを見て、
 気づけば人生の節々にサンパークがある。
 だから、ここをもっと面白くしたいんです。」

地元で生まれ、地元で働き、地元を育てていく。
その姿勢こそが、ローカル商業の新しい形なのかもしれません。

“地域に根ざす”という言葉は、時に“守り”に聞こえることがあります。
しかし、土井さんたちが体現するのは“攻めるローカル”。
現状に満足せず、挑戦を続けるサンパークの姿勢は、まさに“地元の希望そのもの”です。


⑥ これからの展望と、援むすびとの未来

おのだサンパークは、40周年を迎えた今もなお、新たな挑戦を続けています。
その次なる一歩が、年末に開催予定の「地産地消グルメフェス」です。

この催しは、単なる“食のイベント”ではありません。
山陽小野田市を拠点に、萩・長門など他地域の生産者や企業を結び、
「食」を通して山口県全体の地産地消の輪を広げようという試みです。

「地元の人が楽しむだけでなく、萩や長門のファンにも来てもらいたい。
 好きな人にはもっと好きになってもらい、新しいファンも増やしたい。」
土井さんの言葉には、“商業施設”を超えた“地域の交差点”を目指す気概がありました。

おのだサンパークが歩んできた40年の歴史は、地域とともに呼吸しながら進化してきた軌跡でもあります。
そして、これからの40年は、「人と人をむすぶ」という使命のもとに、
生産者と消費者、企業と地域、行政と民間、そしてまちとまちをつなぐ“ハブ”としての役割が、さらに求められていくことでしょう。

その道のりに、「援むすび山口」という存在が並走できることを、私は心から誇りに思います。
おのだサンパークが、地産地消を“広げる”だけでなく、“育てる”場所へ――。
このフェスが、その第一歩となることを信じています。

おのだサンパーク・山陽小野田市


⑦ 援むすび山口・ぶっちゃけインタビュー

土井さんの素顔を丸裸

Q1. 好きな農林水産物・特産品・加工品は?

土井さんが迷わず挙げたのは、山陽小野田の銘菓「せめんと樽」だった。
「実は、復活のときに少し関わったことがあるんです。」
そう話すその声には、懐かしさと誇りが入り混じっていた。

“ふわり”としたやさしい甘さと、どこか懐かしい洋菓子の香り。
かつて地域で愛されたその味を、もう一度このまちに――という想いが、
彼の中でずっと消えなかったのだという。

「自分たちの手で、地元の名品を残していけることが誇らしいですね。」
その言葉は、地産地消を“モノではなく心でつなぐ”人の言葉だった。

Q2. 心に残るソウルフードのお店とメニューは?

「やっぱり“一久ラーメン”ですね。」取材中、即答だった。

子どもの頃、父親に連れられてよく行ったという。
ラーメンと餃子とごはん――いわゆる“ラーメンセット”が、彼にとっての思い出の味だ。

「特別な味というより、家族の時間の味なんですよ。」
その一言に、すべてが込められていた。

湯気の向こうに浮かぶのは、幼い頃の自分と、笑う父の顔。
そんな原風景が、今も“地元で食べる”という行為にあたたかい意味を与えている。

Q3. おすすめの観光スポットは?

「須恵健康公園ですね。桜の季節が本当にきれいで。」

地元でも知る人ぞ知る場所だが、広い芝生と穏やかな空気が魅力だという。
「子どもと一緒に来ると、時間がゆっくり流れるんです。」

サンパークの喧騒を少し離れたその公園には、彼にとって“地元の原点”のような静けさがある。
華やかな商業の世界に身を置く土井さんが、大切にしているのは、
そんな“日常のやすらぎ”なのかもしれない。

Q4. 意外な一面を教えてください。

「実は、小さいころピアノを習ってたんです。」
その意外な告白に、取材スタッフ一同が驚いた。

幼少期は英才教育を受けた“お坊ちゃま”。
それが今、現場で汗をかき、テナントと向き合い、イベントの最前線に立つ土井さんとは、なかなか結びつかない。

「音楽もそうですけど、“伝える”という部分では同じかもしれませんね。
 ピアノは音で気持ちを伝える。今はイベントや企画で地域に気持ちを伝える。
 手段が変わっても、“心を動かす”ことに変わりはないんです。」

今の彼を形づくっているのは、過去の経験のひとつひとつ。
その柔らかい笑顔の奥に、静かな情熱と誇りが息づいていた。

おのだサンパーク・山陽小野田市


⑧ 地産地消プロデューサーの編集後記

取材を終えて感じたのは、「おのだサンパーク」は単なるショッピングセンターではなく、
“人の想いで動く商業施設”だということでした。

全国チェーンの大型モールのような仕組みではなく、ここには“人の熱”がある。
その熱が、お客様、地域の企業、行政、そして次の世代までも巻き込んでいる。

40年という年月の中で、世代が変わっても愛され続けてきた理由は、
そこに「このまちを良くしたい」という当事者の誇りがあるからだと思います。

地産地消とは、単に“地元のものを地元で消費する”ことではありません。
それは、“地元の力を信じる”という意思の表れです。

おのだサンパークは、まさにその象徴でした。
大手でもなく、都会でもない。けれど、この場所にしかない温度と誇りがある。
「どうにかせんにゃいけん」というスタッフ一人ひとりの想いが、
この施設を支え、まちを動かしているのです。

援むすび山口が目指す「地産地消をもっと愉しもう」という想いも、
きっと同じ場所から生まれています。

――地元を愛することは、挑戦をやめないこと。
 そして、その挑戦を笑顔で分かち合える場所が、ここにはありました。

おのだサンパーク。
その名前はこれからも、山陽小野田というまちの“中心の灯”であり続けることでしょう。

おのだサンパーク・山陽小野田市

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