取材日:2025年12月24日
聞き手:ヤスベェ応援団長(大谷泰彦さん)

プロローグ|いきなり心をつかまれた、光市流のウェルカム
取材当日、私たちを出迎えてくれたのは、
笑顔がとても印象的な芳岡統市長と、
光市役所のたくさんの関係者の皆さんでした。
和やかな空気の中、案内されたテーブルの上に目を向けると、
そこには思わず二度見してしまう光景が広がっていました。
とてつもなくデッカい、本物のカンロ飴。
そして、光市の特産品がずらりと並び、
「これはもう取材というより、歓迎会では?」と思ってしまうほど。
そんな中、「まずはこれをどうぞ」と出していただいたのが、
大きくて、ピカピカに光った、真っ赤なイチゴでした。

ひと口食べた瞬間、
思わず全員が顔を見合わせてしまうほどの美味しさ。
甘みがしっかりしていながら、後味はすっと爽やか。
取材は、原稿用紙や質問リストより先に、
イチゴの試食からいきなりスタートです。
この時点で、「ああ、今日はいい取材になるな」と、
全員が確信していました。
光市の取材は、言葉より先に、
“おもてなし”と“美味しさ”で心をつかまれる。
そんな、最高のウェルカムスタイルで幕を開けたのです。

光市の原点は、「人の記憶」にある
芳岡統市長が語る光市の原点は、分かりやすい観光名所や派手な名物ではありません。
それは、長い時間をかけて積み重ねられてきた市民の暮らしそのものです。
全国的には「光市って、何があるまちなの?」と聞かれることもあります。
しかし市長は、その問いに対して焦りや劣等感を持っていません。
光市にとって一番大切なのは、
住んでいる人が、自分のまちを好きでいられること。
そして、市民自身が「光市はいいまちだ」と自然に思えることです。
外に向かって誇示するよりも、
まずは内側にある価値を大切にする。
その姿勢こそが、芳岡市長の市政の根底にある考え方です。
カンロ飴は、光市の“空気”だった

カンロ飴は、光市で誕生した全国的ロングセラーです。
でも芳岡市長にとって、カンロ飴は
「すごい名産品」というより、
あって当たり前の存在でした。
小学校の社会見学では工場に行き、
運動会や学芸会のあとには、必ず配られる。
気がつけば、いつもそばにあったカンロ飴。
市長は、こう表現します。
「空気みたいな存在だった」と。


あまりに身近すぎて、
「光市の誇りです!」と声に出すことすらなかった。
だからこそ、県外の人から
「カンロ飴って光市だったんですね」と言われると、
逆に驚いてしまうのです。
でも今、あらためて振り返ると、
その“当たり前”こそが、
光市にしかない大切な物語だとわかります。
「当時は工場見学も当たり前で、
“光市=カンロ飴”は、説明する必要のない関係でした」
しかし今、あらためてその価値が見直されています。

「カンロ飴食堂のまちひかり」という現在進行形の挑戦。まち全体が「カンロ飴食堂」になる?
カンロ飴は、懐かしい思い出で終わる存在ではありません。
芳岡市長は、「今の光市らしさ」として、もう一度育てていこうとしています。
その取り組みが「カンロ飴食堂のまちひかり」 です。
カンロ飴を、そのまま舐めるだけでなく、
料理やスイーツ、ドリンクに使う。
しかも、どこか一軒のお店が名物になるのではなく、
市内のいろんなお店が、それぞれの表現で参加する。
市長が描くイメージは、とてもシンプルです。
「まち全体が、ひとつの食堂みたいになったら面白いですよね」。
ここで大事なのは、
地産地消の考え方を少し広げている点です。
野菜や魚だけが地産地消ではない。
企業発祥の地だからこそできる、
光市ならではの地産地消があっていい。

懐かしさだけに頼らず、
今の暮らしの中で使われ、
これからも続いていく文化にしていく。
それが、カンロ飴と光市の「今」の関係です。
これは単なるPRではありません。
企業発祥の地と地域が、今の暮らしの中で再びつながる試みです。
観光と暮らしの未来像。「虹ケ浜は、特別な場所である前に“日常の海”」
「光市といえば、やっぱり皆さん“海”を思い浮かべるんです」
芳岡市長はそう語ります。
観光客だけでなく、光市に関わった人すべてが思い出す場所――それが虹ケ浜です。


ただ一方で、市長はこうも言います。
「最近いつ行った?と聞かれると、
実は“しばらく行っていない”という人も多いんです」
かつては子どもだけで遊びに行けた海。
今は安全面や環境の変化もあり、
“気軽な日常”から少し距離ができていることも、正直に受け止めています。
そこで進めているのが、
民間の力を活かした、虹ケ浜の再編集です。
「行政だけでは、正直アイデアが出ない部分もあります」
夏だけの海ではなく、
四季を通して“心が休まる場所”にする。
通年で人が訪れ、暮らしと自然がつながる場所にする。
「特別なイベントがなくても、
波の音を聞くだけで落ち着ける。
それが虹ケ浜の一番の魅力なんです」
観光を“盛る”のではなく、
暮らしの延長線として整える。
それが、光市の観光の未来像です。

食と地産地消の現場。「売る場所ではなく、想いが返ってくる場所」
「里の厨(さとのくりや)」について、
市長は明確にこう位置づけています。
「単なる販売所ではありません」
地元の農家が育てた野菜を持ち寄り、
それを買った人から
「美味しかったよ」と直接声が返ってくる。
「その一言が、次のやる気になるんです」
量は多くなくてもいい。
大きな流通に乗らなくてもいい。
“顔の見える地産地消”が、ここにはあります。
「売るためだけの場所ではなく、
地産地消を“支える場”なんです」
里の厨は、生産者・消費者・行政が交わる“接点”。
そして、光市の地産地消を下から支える基盤です。

農林水産業と次世代。「食べることは、生きることの原点」
農業や水産業の高齢化について問われたとき、
市長は現実を隠しません。
「課題であることは間違いありません」
一方で、ニューファーマーやニューフィッシャーが
少しずつ定着している手応えも語ります。
「作ることが楽しい、
届けることが嬉しい、
そう言われる方が多いんです」
市長が強調したのは、
“食”の役割は、産業以前に“暮らしの核”だということ。
「家族で食卓を囲んで、
今日あったことを話す。
食べることは、すべての原点だと思っています」
無理に拡大するのではなく、
楽しみながら続けられる形で、
次の世代につないでいく。
「それを支えるのが、行政の役割です」
補助金や制度だけでなく、
“続けられる環境”を整えること。
それが、光市の農林水産業の未来です。

光市が今、最も伝えたいこと。「みんなが大好きになるまちでありたい」
ここまで、カンロ飴、虹ケ浜、地産地消、食、暮らしの話を重ねてきた中で、
最後にあらためて聞いたのが、
「光市が今、いちばん伝えたいこと」でした。
芳岡市長の答えは、とてもシンプルです。
光市は、「みんなが大好きになるまち」を目指している、ということ。
派手な観光資源があるわけではないかもしれません。
全国に名前が轟く名物があるわけでもありません。
それでも、子育てにやさしく、
安心して食べられるものがあり、
自然が身近にあって、
人があたたかい。

市長は、「子どもたちに、安心して食べてもらえるものを届けたい」
と、はっきり語ってくれました。
それは、地産地消の話であり、
食の話であり、暮らしそのものの話でもあります。
声高に「すごいでしょ」と言わなくても、
住んでいる人が「やっぱり光市っていいよね」と思えること。
その積み重ねこそが、
光市が今、県内外に伝えたい一番のメッセージです。

援むすび山口 × 光市の次の一手。「一市だけじゃなく、横につながっていきたい」
最後に話題に上がったのが、
援むすび山口とのこれからについてでした。
芳岡市長は、「光市だけで何かをやる」という考え方に、
あまりこだわっていません。
むしろ、周辺市町と一緒になって、
横につながることの大切さを、何度も口にしていました。
実際、周南地域では、
下松市・周南市・光市などが連携し、
観光面での広域的な取り組みが進んでいます。
「土壌は、もうできている」
市長の言葉からは、そんな手応えが伝わってきました。
おのだサンパークで行われた
地産地消グルメフェスの話題になると、
市長はとても前向きです。
市町、行政、生産者、企業、メディアが関わり、
“ただのグルメイベント”ではなく、
物語と人が動く場になっていたことを、
しっかり評価してくれていました。
「ぜひ、そういう取り組みは一緒にやりたいですね」
その言葉には、
社交辞令ではない、
本気の温度を感じました。
一市だけでは弱くても、
複数のまちがつながれば、
見える景色は一気に広がる。
光市は、援むすび山口を
“外から来た応援団”ではなく、一緒に走るパートナーとして捉えています。

②援むすび山口ぶっちゃけインタビュー!
──芳岡統市長の“山口愛”に迫る──
ここからは少し肩の力を抜いて、
芳岡市長の「ひと」としての素顔に迫ります。
市長という立場を少し離れた、
“山口県を愛する一人の県民”としての言葉です。

Q1. 個人的に好きな「農林水産物・特産品・加工品」は?
この質問に対し、芳岡市長は少し考えたあと、
にこやかにこう答えてくれました。
実は、甘いものが大好き。
特に印象に残っているのが、
光市の梅まつりの時期に登場する「梅大福」です。
期間限定で、毎年大人気。
「この時期になると、やっぱり食べたくなるんですよね」と、
少し嬉しそうに話す姿が印象的でした。
そして話題は、自然といちごへ。
「光市といえば、やっぱり今はいちごですね」と、
自信を持って語ります。
そのほかにも、タコ、ハモ、アカアシエビなど、瀬戸内の海の恵み。
「光の魚は、本当に美味しいですよ」と、
地元の食材への信頼が、言葉の端々から伝わってきます。

Q2. 想い出の“ソウルフード”を教えてください
この質問になると、市長の表情が一気に“少年”のように変わりました。
まず名前が挙がったのが、
老舗和菓子店・中野昌晃堂の「鼓乃海(つづみのうみ)」。
子どもの頃から大好きだったお菓子で、
普賢祭の時には、家族で立ち寄るのが当たり前。
できたてを取りに行き、大事に抱えて持ち帰った思い出が、
今も鮮明に残っているそうです。
もう一つが、光飯店。
料理が出てくるまで、驚くほど時間がかかる。
それでも、「待つのが当たり前」「それも含めて、光飯店だった」と語ります。
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大学芋、肉だんごの唐揚げ。
どれも、今では食べられなくなってしまった味。
「なくなってしまったのは、本当に寂しいですね」
その一言に、地元の人なら誰もが共感してしまう“郷愁”が詰まっていました。

Q3. 山口県内でおすすめの観光スポットは?
意外にも、市長が挙げたのは
派手な観光地ではありませんでした。
「特別なことがなくてもいいんです」
そう前置きした上で語ってくれたのが、虹ケ浜海岸。
波の音を聞きながら、
ただ海を眺めているだけで落ち着く場所。
「何分でもいられますよ」と、
その魅力を静かに教えてくれました。
また、県内全体でいうと
錦帯橋も思い出深い場所。
結婚前、家族を連れて訪れた思い出があり、
今でも行くたびに当時のことを思い出すそうです。
観光地を“消費する場所”ではなく、
人生の記憶と重なる場所として語るのが、
芳岡市長らしい視点です。

Q4. 芳岡市長の“素顔”を教えてください
最後は、さらにぶっちゃけて、素顔のお話。
実は、大のバイク好き。
大学時代から乗り始め、
原付を含めると6〜7台を乗り継いできたそうです。
スポーツタイプのバイクが好みで、
一体感を楽しむ乗り方が好きだったとのこと。
「今は手離してしまい、乗る機会がなくなりましたが、
またいつか乗りたいですね」
そう話す表情は、どこか少年のようで、
市長という肩書きを忘れてしまいそうになります。
休日は、奥さまと出かけたり、
県内のあちこちを巡ったり。
笑顔でお話される姿も、とても親しみやすい印象でした。
ぶっちゃけインタビューを終えて
このインタビューを通して伝わってきたのは、
光市長である前に、山口県が大好きな一人の人という姿でした。

食べ物の話になると少し嬉しそうで、
思い出の話になると、少し懐かしそう。
そして、光市や山口県の話になると、
自然と真剣な表情になる。
だからこそ、芳岡市長の言葉は、
まっすぐに心に届くのだと感じました。
③中村店長の「山口直送!トリビアな話」
光市編|知ると、ちょっと自慢したくなる話。
知ると好きになる。知ると美味しくなる。好きになると、逢いに行きたくなる。
山口県各地に眠る、歴史・文化・逸話・人材の“小さな物語”を掘り起こす
援むすび山口の連載企画「山口直送!トリビアな話」。
今回の舞台は、
実は“知れば知るほど奥が深いまち” 光市です。
トリビア① カンロ飴は、山口県光市が発祥 →詳細はこちら
トリビア② あのチョロ松君も!?猿まわしは光市が発祥 →詳細はこちら
トリビア③ 光市の水道水は、実はかなり美味しい →詳細はこちら
トリビア④ 皮まで食べられるバナナが、光市にはある →詳細はこちら


中村店長からひとこと
光市のトリビアを並べてみると、
共通して見えてくるのは、
派手じゃないけど、実はスゴいということ。
カンロ飴、猿まわし、水、バナナ。
どれも、暮らしのすぐそばにあるものばかりです。
だからこそ、
知ると好きになる。
好きになると、美味しくなる。
そして、逢いに行きたくなる。
光市は、そんな“じわじわ系の魅力”が詰まったまちなのです。


編集後記|“語れるまち”は、強い


今回、光市・芳岡統市長にお話を伺って、
あらためて強く感じたことがあります。
それは、地産地消は「自慢するためのもの」ではなく、日々の暮らしの中で、静かに育てていくものだということです。
光市には、「これが日本一です」と胸を張れる派手な名物はないかもしれません。
でも、話を聞けば聞くほど、
暮らしの中に“ちゃんとした理由”が積み重なっているまちだと分かります。
カンロ飴は、名物になる前に、まず市民の記憶でした。
虹ケ浜は、観光地である前に、日常の延長にある海でした。
里の厨は、売り場である前に、生産者の背中をそっと押す場所でした。
どれも派手ではありません。でも、どれも本物です。
芳岡市長の言葉には、
「無理に大きく見せない」という覚悟と、
「続けていくこと」への誠実さがありました。
だからこそ、このまちは強いのだと思います。
援むすび山口が大切にしている
「知ると好きになる。
知ると美味しくなる。
好きになると、逢いに行きたくなる。」
この言葉は、今回の光市取材で、ただのキャッチコピーではなく、
現実の風景として、目の前に現れました。
地産地消とは、生産量や売上の話だけではありません。
誰が、
どんな想いで、
どんな暮らしの中で、
それを大切にしてきたのか。
そこに目を向けたとき、
まちは「語れる存在」になります。
そして、語れるまちは、必ず強くなります。
これからも援むすび山口は、
声高に自慢するのではなく、
そっと灯りをともすように、
山口県各地の地産地消を編集し、つないでいきます。
光市は、そのことを
とても静かに、でも確かに教えてくれたまちでした。

光市より、素敵なプレゼントをいただきました!



光市より読者プレゼントをご提供いただきました。
「笑菓(わらか)」6箱入りと「ひかりの苺(ルビー)」2パックをセットで2名様にプレゼントです!
【プレゼント内容】
・「笑菓(わらか)」6個箱入り
農事組合法人つかり/Tsukari Berrys
光市大和地域の素材を活かした焼き菓子で、農事組合法人つかり・Tsukari Berrysと、光市立大和中学校の生徒さんが共同開発した商品です。
地域で採れた苺やブルーベリーを白餡と組み合わせ、和菓子と洋菓子の“いいとこ取り”をした、新感覚のスイーツです。
・「ひかりの苺(ルビー)」2パック
農事組合法人つかり
光市束荷(つかり)地区で栽培されているブランドいちご。
宝石のように美しい見た目から「ルビー」と名付けられ、高糖度で大粒、濃い甘みが特長です。
光市の自然と、人の想いから生まれた味わいを、ぜひこの機会にお楽しみください。
応募は「援むすび山口 公式LINE」から
友だち追加後に表示される応募フォームよりご応募ください。
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