下松市を訪れると、必ず感じるものがある……
海の静けさと、鉄の力強さ。そして、人の温度。

取材日:2025年10月27日
インタビュアー ヤスベェ応援団長(大谷泰彦さん)


国井益雄市長の言葉の端々に流れていたのは、
「観光や産品の前に、まず“地元の人の暮らし”を守りたい」という、
とてもまっすぐな“地元愛”だった。

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

【テーマ1|海と人が育む“循環する観光地”──笠戸島の物語】

「笠戸島は、宝の島…いや、宝の海かもしれませんね。」

国井市長がそう語ったとき、その声には観光地としての表面的な評価ではなく、
“島に生きてきた人たちへの親しみと責任感”が静かににじんでいました。

かつて4,000人以上いた島の人口は、高齢化とともに減り続けています。
観光客は増えても、そこで暮らす人が減っていく現実――
それはまちの“根”が徐々に細っていくことを意味します。

市長が見つめているのは、まさにその“根”の部分でした。

笠戸島の中心にある下松市栽培漁業センターでは、ひらめ、とらふぐ、オニオコゼ、キジハタ、マコガレイなど12魚種の種苗生産・中間育成が行われています。 また、下松市を代表する観光資源である「笠戸ひらめ」や「笠戸とらふぐ」の養殖も行っています。
これは地域の漁業、そして地元の食文化に欠かせない取り組みです。

市長はこう説明しました。

「下松の栽培漁業は、地域の地産地食に確実に貢献しています。
山口県の漁業にとっても、もう欠かせない存在なんです。」

その言葉には“誇り”よりもむしろ、
地域の食と漁業を未来につなぐ責任感が込められていました。

栽培漁業センターの取り組みは、
産業の支援にとどまらず、
海の循環を守り、自然の恵みを次の世代につなぎ、
地域の食卓へと命を届ける 基盤づくり そのものです。

市長は、子どもたちの未来にも視線を向けています。

「ひらめは高級魚ですが、子どもたちが“食べたことあるよ”と言えるまちにしたいんです。」

この一言には、
海を守る技術より深い、
子どもたちに誇れる食文化を残したいという想いがあらわれていました。

笠戸島は、市長にとって
ただの観光地ではありません。

“暮らしと未来を育てる場所”なのです。


【テーマ2|地元の味が語る“くだまつブランド”──ひらめと牛骨ラーメン】

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

「好きな食べ物は?」
そう尋ねたとき、市長は一瞬だけ照れながら答えた。

「牛骨ラーメンですね。」

その言葉は、政治的な配慮ではなく、
まるで“青春の一部を語る”ような素直な響きだった。

高校時代、汗まみれで部活から帰る夕方。
急ぎ足で紅蘭に向かい、大盛りラーメンを勢いよくすすり込む。
湯気の向こうに、自分の居場所が確かにあった。

市長の語りから伝わってきたのは、
食とは、地産地消とは、地域の記憶をつくるものなのだということ。

笠戸ひらめの話では、また違う温度が流れていた。

下松市では、給食でひらめを提供した実績がある。
ひらめのフライとして子どもたちの食卓に上がったその一皿は、
“高級魚を出した”という話ではなく、
「地元の海で育った味を知ってほしい」という願いの表れだった。

刺身のコリコリとした独特の歯ごたえを語る市長の声にも、
ブランド戦略ではなく、
暮らしの中に根付いた“海への愛情”があった。

下松市の味は、
市長にとって単なる地域ブランドではない。
それは、
土地と人が積み重ねてきた暮らしそのものなのだ。


【テーマ3|“ものづくりのDNA”が息づくまち──鉄道と海の交差点】

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

鉄道の話になると、市長の語りは深く静まり、
まちの輪郭が一気に鮮明になる。

昼間を走った巨大な車両

イギリス向け車両の運搬を、
ある日“あえて昼間”に行った。

そのとき、沿道に子どもたちが集まり、
家族がスマホを構え、
働く父の姿を初めて見た家族が静かに涙を浮かべたという。

市長は言った。

「『お父さん、こんな仕事しちょるんね』と…
あの瞬間が、何とも言えないのです。」

車両ではなく、
家族の誇りが道路を走った日だった。

職人の手が生むもの

下松には、新幹線の“顔”を叩き出す職人がいる。
山下工業所には、わずか30名ほどの中に“現代の名工”が2人もいる。

アルミを叩き、曲げ、削り、整える。
その工程は機械ではできない。
人の手の記憶そのものだ。

市長はこの話題を語るとき、
その手を守るように両掌を軽く添えていた。

鉄道と海──
全く別のようでいて、
下松ではどちらも“人の手が育てる文化”として息づいている。

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪


【テーマ4|“ひとづくり”がまちを育てる──移住・創業・地域の未来】

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

市長の価値観がもっとも鮮明に現れた瞬間は、このテーマだった。

市長は何度も何度も言った。

「観光よりも、まず地元の人を大事に。」

笠戸島に協力隊を迎えること、
米川地区に地域づくり拠点を整備すること、
出生率の高さを維持すること。

それらはすべて、
“にぎわいづくり”ではなく、
「暮らしの根を守る」ための行動だ。

下松市は、「住みよさ全国8位」「住みここち県内1位」。
だが市長は、数字としてそれを語らない。

「子どもを大事にするまちでありたい。
安心して暮らせるまちでありたい。」

その言葉が、この評価の本質を物語っていた。

下松の住みよさは、
施策の成果ではなく、
市長の“地元を思う心”が形になったものだ。


【テーマ5|むすびの言葉──“誇りのあるまち”を未来へ】

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

最後に、市長は静かに言った。

「地産地消とは、地元愛です。」

そして、
下松市をひと言であらわすなら、と尋ねると、

「誇りのあるまち。」

その声はとても静かで優しかった。
けれど、揺るぎない強さを持っていた。

古代の天王森古墳の埴輪。
職人の叩く音で生まれる新幹線。
笠戸島の海で育つ命。
牛骨ラーメンの湯気。
米川の水源。
そして、子どもたちの笑顔。

そのすべてが“誇り”という一本の帯でむすばれている。

市長の語る「誇り」は、大げさなものではなく、
毎日の暮らしの中に灯る静かな光なのだ。


【ぶっちゃけインタビュー:市長という“人”がにじみ出る瞬間】

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

「ソウルフードは何ですか?」と市長に尋ねると、
「好きな食べ物と同様に牛骨ラーメンです。いなり寿司と一緒に食べるのが最高なんですよ。」

その表情には、ただの好物以上のものがにじんでいました。
学生時代、帰省で下松市に帰ってくる。
懐かしさとともに下松駅に降り立つと、
街の空気と一緒にふわっと漂ってくる牛骨スープの甘い香り。
あの匂いに包まれると、“ああ、帰ってきた”と思えたのだそうです。

一杯のラーメンの向こう側に、
仲間との笑い声、悔し涙、
そして若い日のエネルギーが全部つまっている。
市長が語る牛骨ラーメンには、味覚よりも先に“人生の記憶”がありました。

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

思い出の風景について尋ねると、市長は少し視線を遠くに向け、
「白雲の滝ですね。」と静かに語られました。

小学生のころ、先生に連れて行かれて写生した場所。
緑の匂いと、ひんやりとした岩肌。
水の落ちる音を聞きながら画用紙に向かった幼い日の空気。

今は末武川ダムの湖底に沈み、普段は姿を見せないその滝が、
雨が少ない年にほんの短い時間だけ、水面から姿を現したといいます。
その時、市長は息をのむほど懐かしく、
胸が締めつけられるほど嬉しかったと語ってくださいました。

「もう一度会えたような気がしてね…」
その言葉には、景色だけではなく、
少年だった自分自身との再会のような響きがありました。

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

趣味についてお聞きすると、市長は少し照れた表情で答えてくださいました。

「詰将棋を、もう20年以上続けています。」

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

飲んだ帰りでも、疲れた日でも、
必ず30分ほど“頭の体操”をするのだそうです。
静かな時間の中で、過去の経験や日々の出来事が自然と整理されていく。
この習慣が、国井市長の“ぶれない心”をつくっているのだと感じました。

さらに市長は、“動の趣味”も持っていました。
土曜は市のソフトテニス練習日。
「時間が合えば今も練習に出ますよ。」と、少年のように笑う顔が印象的でした。

ラケットを振るときの爽快感、
仲間との掛け声、
身体を動かす喜び。
市長の中には、今も若い日のエネルギーがきちんと息づいています。

この“ぶっちゃけ”の時間で感じたのは、
政治家としての肩書よりも、
「下松で生き、下松を愛し、下松を支えてきた一人の人間としての温度」でした。

市長が語ると、
牛骨ラーメンは“青春の記憶”に変わり、
白雲の滝は“心のふるさと”になり、
詰将棋は“暮らしの静けさ”を象徴し、
ソフトテニスは“今も続く躍動”を映し出す。

こうした一つひとつの人間らしい時間が、
日々の判断やまちづくりの根っこを支えているのだと強く感じました。

国井益雄という市長は、
施策や政策だけでは語り尽くせない、
“生活者の温度を持つリーダー”なのです。


【中村店長の「山口直送!トリビア」──下松市編】

天王森古墳から出土した大刀形埴輪は、
継体天皇陵と同型の極めて貴重な文化財。

市長は言った。

「掘ればまだあるかもしれん。
誰を祀るか分かれば、日本の歴史が動く可能性がある。」

海・鉄道・食のまちとして知られる下松に、
実は“古代史の鍵を握るまち”という顔がある。
この深さこそ、下松を特別にする魅力だ。


国井益雄という人が照らす、下松市というまちの物語。(編集長・地産地消プロデューサー)

下松市・国井益雄 市長・笠戸島・牛骨ラーメン・笠戸ひらめ・天王森古墳・立方埴輪

海を守りたい。
子どもたちの未来を守りたい。
働く人の誇りを守りたい。
地元の暮らしを守りたい。

そのささやかな願いの積み重なりこそが
下松市を、いつしか全国でも指折りの
“住みよいまち”へと育ててくれたのではないだろうか。

地産地消とは、
モノや食材の循環ではなく、
「人を中心にしたまちの物語」であることを、
国井市長が教えてくれた。


下松市より、素敵なプレゼントをいただきました!

くだまつギフトセット(笠戸ひらめ らーめん入り)」を1名様 にプレゼントいたします。

下松市から、心のこもった「くだまつギフトセット」をお届けいただきました。
瀬戸内の海と、人の想いがつまった“下松らしさ”がぎゅっと詰まったセットです。

・笠戸島の海で育てられた「笠戸ひらめ」を使った、香り豊かなひらめラーメン
・気軽に海のごちそうが味わえる笠戸ひらめパエリアの素
・下松市で農薬不使用で育てられた青パパイヤを使ったくるまきパパイヤ茶
・やさしい甘さが嬉しい山口県産たまごのぼうろ
・くだまつ産の素材で作られた季節のジャム

ひらめだけでなく、海・農・加工品が一つにつながった、まさに「地産地食の宝箱」。
“知ると食べたくなり、食べると会いに行きたくなる”──そんな下松ならではの魅力が詰まっています。
ぜひ、この機会に下松市の美味しさと温かさに触れてみてください。


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